アフリカ、ケニアの草原で現在もときには裸足で生活し、そうでない場合も、
底の薄い柔らかいサンダルを使用している人々がいます。
"正しい姿勢と、高い跳躍力、そして美しい歩行技術で知られるマサイの人々は、
腰痛、膝通、および足のトラブルがほとんど無縁なことでも知られています。
彼らはいまも荷物を頭の上に乗せて運ぶ習慣があります。
10kg以上の荷物でも軽々と、なおかつ手を全く使わずに運ぶことができます。
先進国以外では、今でもこの運搬方法は一般的になっているようです。
日本でも以前は大原女に代表されるように普通に行われていました。
私たち人類の直立二足歩行は、本来活動的で美しく、そして合理的なものです。
アフリカのサバンナに起源をもつ人類の直立二足歩行は、草原の柔らかで不整地の地面を歩くために
進化したといわれています。
私たちの筋骨格システムは、安定した着地を行うために、重心の真下で接地し、かかとが柔らかな地面に
沈み込むことに適応した構造になっています。
カカトが沈み込んでこそ、リラックスして正しい直立姿勢を保てるようになっています。
現代人は、硬く平らな地面を通常の靴で歩き続けたことで、本来持っていたマサイ人のような
正しい歩行能力を失ってしまいました。
そのためか、常に腰痛、膝痛、足裏の痛みに悩まされています。
私たちは、頭の上に荷物を載せて運ぶことはすでにできない体になっています。
両者の生活環境や習慣のなかで、もっとも大きな差は、地面が舗装されているか否か、そして、足を拘束し、保護し、衝撃を吸収するカカトがついた靴を履いているか否かです。
この差をじっくり考える必要があると思います。